カードワース素材とシナリオの配布・自宿含む一次創作を置く場所。
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ノウが目を覚ます数刻前。 シェスは町外れにある木造の小屋へ向かっていた。 そこはシェスがたまにねぐらにしている場所のひとつだ。 活気ある港町といえど、シェスが蝙蝠姿で過ごしているような路地裏もあれば、人の手を離れてそのまま忘れ去られた廃屋もある。 「…&hell...
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小さな村に二つの人影があった。 一人は白絹のように透き通った白銀の髪に、蜂蜜色の釣り上がった瞳が印象的な神父服をきた青年。 日傘をさして歩く姿は、風がひんやりとしたものにかわり、日差しが弱くなりはじめた今の季節にはやや場違いではあるが様になっている。 整った容貌と小...
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「わぁ~~!」 大都市に到着し馬車から降りたノウはぱぁっと顔を輝かせた。 土や砂利とは違い、さらにはホルドナよりも綺麗に補正された石畳が何処までも続いている地面。 煉瓦の壁でつくられた家はしっかりとした作りでどこか洗練されているように感じた。 立ち並ぶ店には色んな商品が並...
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室内の窓枠が明るくなって、温かい光が差し込んでくる時間。 ベッドの中でぐっすり眠っていたノウはパチリと目を開けた。 「……うーん…っ!」 ぐいっと背伸びをして、目をこすりながらベッドから起き上がる。 内容はあまり覚えていないが、怖い...
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「あ、これ、うごきやすい…」 「はーん、そうかよ。じゃあ、それはひとまず確保しておくか。店主、他のも見せてくれ」 「はいよー」 朝食を終え、二人は街にある武器と防具を扱う店に訪れていた。 大通りから一つ外れたとおりに立っているこの店は、駆け出しの若い冒険者でも扱...
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武器屋で装備を揃えてから数週間が過ぎた。 薬草取りの仕事、迷い猫探し、通りから通りへの配達業務。 宿の掲示板に貼られた依頼のなかでも、特にささやかな依頼を着実にこなしていく日々が過ぎていく。 妖魔討伐の依頼も時折はられているのを見かけたが、シェスが...
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石畳の上を歩きながらノウがぎゅっと革袋を握りしめると、中で銀貨がチャリンと音を立てる。 シェスに何度か連れて行ってもらったので、市場や店が立ち並ぶ通りまでの道順は問題なく覚えている。 一人で入ってはいけないと言われた路地裏がどのあたりかもわかるノウは、件の場所には極力近づかない...
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「……きゅ」 白い蝙蝠姿でお手製のクッションに沈みうとうとしていたシェスはのそりと顔を上げた。 窓の外は日が沈みかけている。 もうすぐ夜が来る時間だ。 きょろきょろと部屋の中を見回すが、ノウの姿は見...
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――ノウがシェスに料理を作るようになって数日後。 「シェスさん、あのね、今日はスクランブルエッグつくってみたよ」 「ふーん、どろどろしてんな~。半熟なんてかわいいもんじゃねぇわ、これ」 「えっ、う、うわあ、すごいどろどろしてる…。うう&he...
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「役所あいててよかった!シェスさんもいっしょにいってくれてありがとう~」 「キィキィ」 夕陽が石畳を照らす帰り道を、ノウの上着のフードに潜り込んでいる蝙蝠姿のシェスと一緒にノウが歩いている。 無事に姉と妹に手紙を送ることができたノウは気分も足取りも軽やかだ。 すれ違う人々は...
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